デスノート - 主人公と物語のおわり

読みました。1ページ目からラスト1ページ目まで綿密に設計された漫画でした。

物語としては完璧だったけど、ラスボスはやっぱりLがよかったな。月くんはニアを舐めてたし、それゆえに才能を十分に発揮ることなく敗北したと感じた。

月くんの末路

一番は魅上に対する調査が甘かったところ。今まで月くんに協力してくれたミサや高木さんは女であり、恋をしていたから月くんに尽くすけど、魅上はそうではないのだからラストでの裏切りも予測できるものであったはず。捜査本部の監視があったために魅上の思想や行動の詳しい調査が行えなかったという言い訳はできるけど、そもそも天才月くんの計画が崩れるパターンのほとんどが「他人の余計な動き」であることも天才を自覚する月くんならわかる。だから調査しなくちゃいけなかったよ。

それからLのときと違って、敵が倒れる直前に勝利を確信してしまったところ。月くんはニアを舐めていた。これがLだったらもっと周到な形で敗北できたんじゃないかと思ってしまう。

月 vs Lのラストは一方で、Lが死ぬ直前まで「月くんがキラではない可能性」を捨ててなかったんだな〜とわかる一コマがあってめっちゃ良かった……倒れるLを月くんが抱きかかえて、Lは月くんの肩を掴む。この瞬間までのLには「月くんが助けに来てくれた」という認識が一瞬でもあった。手抜かりなく「Lの友人の夜神月」を演じ切ったというラストだった。

もし最後の敵としてニアとメロが直接月くんの前に立ちはだかったり、捜査本部の人たちが引導を渡すという展開だったら敵チームの中に「友情努力勝利」が見られて個人的には楽しいラストだったとおもう。ただ主人公はあくまで月くんなのでそんなハッピーエンドは作れないし、キャラ同士の関係性や実力を考えると現実的じゃない。だから物語としては完璧だけどifを望んでしまう終わりだったな。

物語のおわり(めっちゃいい)

しかし主人公亡きあとのラスト、最終話はよかったですよ。この物語の一番最後のページには「Thus concludes this story of the DEATH NOTE」という見覚えのある一文が書かれていました。

「マビノギ四枝」とよばれる古代ウェールズの4つの物語がありますが、各物語のおわりに書かれた一文が「 thus ends this branch of the Mabinogi (マビノギのこの話はこれでおしまい)」というものです。これをオマージュしたということは、「デスノートのこの物語はこれが結論。」つまり、この物語=夜神月の物語以外にも「デスノートの物語」は存在するということであると解釈できます。

実際にリュークは「人間界にデスノートが出回ったのは今回が初めてではない」「死神の目の取引は古くからある人間のための契約」という話をしており、第二話に登場した「救世主キラ伝説」のサイトにも キラ=犯罪者を消してくれる救世主 は夜神月以前にも存在していたとされています。

よって夜神月以前にもキラは存在し、夜神月以降にもキラが現れるということです。単なる続編の示唆ではなく、これは歴史なんです。

ちなみにマビノギ四枝は「神話」です。デスノートという神話にめっちゃぴったりなフレーズでめっちゃいい とえなはおもった。

#漫画